「巨瀬町の歴史散歩」

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 一、初めのことば

 昨年の事だったと思いますが、吉備国際大学の民俗学専門の先生が、巨瀬JA支店に来られて、特産品調査をされているとき、巨瀬の町内名をしらせて欲しいとのことで、急遽お会いし、町内名を地図と一緒にお見せしたところ、先生は一日見るなり「これはすごい、歴史に関係のある地名ばかりだ、それぞれの土地にいわれがあるはずですよ。」と興奮された様子で話されました。

 確かにその通りなのです。昭和四十五年、野口先生を中心にまとめられた巨瀬町誌には目次に従って巨瀬の歴史が項目別に記録されています。さらに、昭和五十六年頃から小学校五年生学級PTAの活動として巨瀬の歴史を尋ねる史跡巡りが続けられています。このような歴史と文化にあふれている巨瀬町ですが、さらに、先祖が残して下さった遺産や史跡、風習などを尋ね、激しく変化する時代の流れに忘れ去られることのないように、そして、各町内ごとに先人の歩まれた足跡を記録に残し、ともすれば、ふるさとを離れて華やかな都会に思いをはせる若者にも、また二十一世紀の巨瀬町を目指して町づくりに取り組んで下さっている方々にも縄文・弥生の時代から現代に至るまでの歩みを、身近な町内会から順次巨瀬町を巡って見ることができるように、歴史散歩としてまとめてみたらという話が公民館で生まれてきました。

早速町誌を編集された経験のある野口先生を中心に公民館クラブ活動として歴史散歩クラブを結成していただき、町内の協力者を尋ね資料を提供していただいたり、実地を説明していただき、町誌の記録をさらに深めたり、新しく出てきた歴史資料を中心に歴史散歩として歴史の中で巨瀬町が一巡りできるように史実の発掘や資料さがしをスタートしました。

 ちょうど、公民館活動と合わせて、巨瀬のまちづくり推進委員会が本年度から発足して、まちづくりの一視点に郷土の再発見活動として郷土の歴史紹介を掲げて取り組みをすすめていますので、公民館活動とあわせてこの歴史散歩に取り組んでいただき、巨瀬の再発見になり、まちづくりの文化的活動になれば幸いですし、合わせてふるさとを愛する思いを高める一助にこの歴史散歩を活用されればと期待して取り組みを進めて来ました。

 まだまだ、巨瀬の歴史は、その時代、時代に合わせた先人の活躍が残されていますので、この歴史散歩が次の時代の橋渡しとしてバトンになり、また、次の世代の方々が巨瀬の歩みを深く探って頂くことを願い、はじめの言葉といたします。

         平成十年三月

                      巨瀬公民館長  平 川 貞 一